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Wednesday, 09 March 2005

夕焼け投影機

日の入りからはじまって日の出で終わる、そうでないとなんとなくすっきりしません。プラネタリウム投影はそういう形だと決まっているわけではないのに。
スタートが日の入りというのはたいていどこの投影でもお決まりです。(そうでないことも希にありますが)
「まず今夜の星空を見てみましょう」からはじまるために「これから太陽が沈んだら」でスタートするわけですね。
日の入りからはじまったら日の出まで経験したいというのは生理的な欲求なのかもしれません。「朝が来ない夜はない」といいますものね。

五島プラネタリウムの夕焼けは大好きでした。
太陽がゆっくり沈んでいき、地平線の影絵と重なるとドーム全体を照らしていた大きな照明がオフにされ、それが余韻を残すようにふわりと消えていく。ドームの空が暗く青くなり、地平線近くが赤く染まる。その夕焼けの美しいこと。
記憶の中に刻み込まれた「一番美しい夕焼け」がひきだされて、ドームに重なって投影されているような。

この夕焼け・朝焼け投影機はもともとのツァイス投影機にはついていなかったため、五島の技術係がつくった自作のプロジェクターなのだそうです。製作当時は、夕焼けや薄明などのプロジェクターのオンオフをプログラムして自動化することまで計画していたようです。でも、五島が目指す投影のためには、自動にしない方が使い勝手がよいという考えに変わったのでしょうか。それぞれの解説員の「間」で操作してつくる、個性ある日の入りはそれだけで楽しめるものでした。
いつだったか、そこに入れてある「夕焼けの素」である赤いフィルムを見せていただいたことがあります。「え、これだけのものであの夕焼けの色を出しているの?」といいたくなるようなものでした。その工夫のシンプルさにまた新たに心を奪われてしまいました。

演出方法が増えて、文字通り「色々な」夕焼けが投影されていますが、日の入りのシーンだけでぐぐっと心を掴まれるようなものには、五島以降なかなかお目にかかることがありません。あの空間ごとを再現できるビデオがあったらいいのにと思うことがあります。それほど、あの夕焼けが好きでした。

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